★アーティストになるために 2
わたしの場合は「二つ目の大学は自力で出る事」父に言い渡されていた。
いくら市立の大学が安いとはいえ、自分で学費を稼がねばならなかったのです。
としは21歳になっていたと思います。
本当なら家を出て独立をしなければならなかったのですが、母がうつ病で雨戸を閉め切って引きこもっていた、、ので、家事は祖母と二人でしなければならなかったのです。
取り敢えずー家でできるバイトという事で西陣の帯の図案を始めました。
昼間は学校へ。
午前中は学業、午後は実技でした。
家での図案制作は丈夫な和紙に描いた図案を職人さんが機械で横に細く切って糸のようにして絹糸と織り込むという技法でした。
そうすると私の描いた図案が再現されるのです。
一般的に絵がすぐに売れてそれだけで食べていけるようになるというのは奇跡に近い事です。
一般的にアーティストになるのに必ずしも芸大に行く必要はないと思います。
でも、自分の中に表現したいものがなければアーティストにはなれません。
じぶんにしかできないものを作る事です。下手でもいいのでオリジナルな何かを自分の中から引っ張り出すという作業が必要になります。
個性が重んじられます。
作品に答えはありませんが、その中にオリジナリティーとそれなりのパワーが求められます。
私の場合、父が心配して、アートでメシは食えんから、デザイン科へ行けという事でヴィジュアルデザイン科に入りました。
つまり卒業してもどこかの会社かデザイン事務所に入れば食っていけるという事です。
デザイン科では基礎で製図、レタリングなど、立体で電話などのデザインをして模型を作る、ポスターを描く、写真を撮り、現像してプリントを作る、そのテクニックや理論を学ぶという事を4年間しました。
が、その頃はどうしても現代版画家になりたかったのです。
どうもこの辺りは頑固で、譲れない性格でした。
食べていける行けないを考える前に、体がやりたいことを選んでしまうという感じで、父親はがっかりしていました。
結局、あたまで選んでも魂の想いと一致しなければ続かないという事でしょうか?
中々、勇気がいる事ですが、やりたい事をやっていくというのが結局、1番の近道ですね
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